ブログ版・仙台藩の天文学史
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『世界之図』の類似図
 ネットに『世界之図』はないと書いたのだけれど、その類似図ならあった。

 まず、調査人Y氏も調査済み。M大学A文庫の『地球全図』。輪郭線が緑と赤。お辞儀をしたマダガスカル島とホンモノに近いルソン島。南米北部の南回帰線直下にあるパリメ湖もある。

  ttp://www.lib.meiji.ac.jp/perl/exhibit/ex_search_detail?detail_sea_param=4,74,0,b 

 古地図研究家のU先生の言葉が気になる。メガラニア大陸の北部、ノウバキネア付近が赤い。

 そして、W大学の世界古地図。
  ttp://www.wul.waseda.ac.jp/TENJI/virtual/hyoryu2/hyoryu46-1.jpg

 地名はカナと漢字。ノウバキネアが赤いところが『世界之図』の特徴。
輪郭線は独特。


 図書館でU先生の本を借りてきた。『日本人の大地像』。江戸時代の天文地理の書籍を色々と考察されている。なるほど地理学的な立場だと、こういう視点になるのか・・・これらの書籍のタイトルだけはしっていたが。。。勉強になった。先生は、昨年5月に亡くなったそうだ。今更ながらではありますが、ご冥福をお祈りします。
 この本には、もちろん仙台藩に関係する書籍の紹介はない。
 だって、この時期仙台では、天文に関する書籍を出版したのは、春日経高という人物だけ。享保年間に2冊。暦の解説書である。彼が誰の門人かはわからない。少なくとも佐竹義根とは関係が無い。秘伝を出版してはイケナイのだ。
Y氏の調査結果
 先日Y氏が調査したS市歴史美術館の”坤輿”と”世界之図”、そして、Y市立大学図書館A文庫の古地図の写真を見せて頂いた。まさか・・・・・!!! Y市立大学には3つの”坤輿”があった。そして、他のひとつは坤輿に極めて似ているものの”世界之図”と判定した。。。

 驚きはこれだけではない。Y氏がY市立大学で撮影した”坤輿”の類似図には”地球万国一覧之図”と記されているものがある。宝永五年(1708)に長崎の西川如見が出版した『増補華夷通商考』の第三巻にある”地球万国一覧之図”ではないか!地図の大きさは、西川図とは異なるものの、記載事項の一致が見られる。しかも、Y市立大学の”地球万国一覧之図”は、”世界之図”と同じ特徴がある。。。。

 更に、Y氏が調査したM大学図書館A文庫の”坤輿”に似ている世界図について、遡って目を向けた。この2図も”世界之図”との類似性が伺われる。

 えっとぉ・・・・いろいろ先走って書いてはいますけど、まとめると、、、、このようになります。
 従来リッチ系とされていた諸図の多くは、直接”坤輿”の影響を受けているのではなく、17世紀中期から後期にかけて作られた”坤輿万国全図”の類似図である”世界之図”を介して、間接的に影響を受け広まったかも。。。というのが、今のところの解釈。

 とりあえず黄色いチームが勝って、その祝杯に酔いしれているので今日はこれまで。。。
 
 いやいや、ここまでは書いて置こう。”世界之図”は色に特徴がある。卵形の地図の輪郭が、外側から、緑・白・赤の三重線であるのが、”世界之図”。類似図は、緑のみ、緑+赤などの種類がある。とにかく、緑や赤の輪郭線を持つ太平洋を中心に置いた世界図を見たら、”坤輿”ではなく”世界之図”かもです。そんな、世界図、見たことありませんか???? 当方、無料で鑑定しますぅ・・・w
新たな坤輿?
 図書館で本を読んでいたら、半年ほど前に出版された本の中に新しい坤輿万国全図を見つけた。
『大地の肖像 絵図・地図が語る世界』(藤井譲治、杉山正明、金田章裕/編)の「第18章 本居宣長の地図利用」(上杉和央)

あの”宣長”が坤輿を持っていたらしいと書かれている。らしいと言うのは、掲載されている写真が白黒であるため要となるマダガスカル&ルソン島を確認することができないこと、『異国図』と題された地図であることによる。写真を見た限り坤輿。ただし、図のみで周辺部も地図中にも一切文字は記されていない。
 カスピ海北部の河も今まで見たことも無い書き間違えを含んでいるし。。。。New Type だ。
 この論文を読んで、真っ先に思いついたのが、臼杵にある『世界之図』。これを写した図は『夷国図』と題されている。しかし、どう見ても坤輿だなぁ・・・・。

 そういえば本居宣長も三重。亀山図、井田図、稲垣図、京大図と伊勢周辺には坤輿が集中しているのかも。

ただいま混乱中
ここのところ、しばらく比較調査中。。。結論はなかなかでない。
先日、「万国総図」を「世界之図」系としてみたが、、、北極海の島々の形が違うのに気付いた。一筋縄ではいかないらしい。。。
世界地図いろいろ
最近知り合いになったSさんに触発されて、
江戸初期〜それ以前?の世界地図を調べていた。
オルテリウスの世界図。
ttp://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=97749

これは、標準的なオルテリウス。南アメリカのコブが取れている。
ttp://www.history.museum.city.fukui.fukui.jp/tenji/kaisetsusheets/22.pdf

これも標準的。
ttp://www.city.obama.fukui.jp/section/sec_sekaiisan/japanese/data/256.htm

日本の形がオリテリウス?
ttp://www.city.sakai.osaka.jp/kyoiku/_syougai/_kyouiku/bunkazai/sekaizu.html

メガラニカがはっきり書き込まれている。
ttp://www.shimogo-kyosaikai.org/bunkazai/map/map_world.htm

以上4点には、日本地図がセットでついている。

これがわからない。借り物なのか、収蔵品なのか?
ttp://www.ehills.co.jp/rp/dfw/EHILLS/rh/artmuseum/index.php
日本地図もセットらしい。。。上と同じ???

そして、驚いたのがコレ。
ttp://www.kyuhaku.com/pr/pdf/asiage_05.pdf
すげー、オルテリウスなのに太平洋中心!

ブラウ系。南アメリカが痩せている。
ttp://www.suntory.co.jp/news/2007/9848.html

ttp://www.jcca.or.jp/kaishi/227/227_morita.pdf

ttp://www.city.kobe.jp/cityoffice/57/museum/meihin/042.html

これの下2つ。
ttp://homepage3.nifty.com/szell-chronology/hisgeo/lectures/geothoughts/world%20map%20screens.htm
いや、一番下は、日本の形がオルテリウスかも???
南アメリカも太っている?


それで、私がこだわっている「世界之図」は、ネット上にない。
中心部はブラウ系、周辺部は坤輿系。で、太平洋が中心。
これを世界之図系とすれば、「万国総図」は世界之図系。
いやいや、名の知れている「万国総図」系としたほうがいいかも。
原目も万国総図系だ。
ttp://hercules.s281.xrea.com/christmas20063.htm

坤輿と比べると、ルソン島とマダガスカルが違う。
ttp://www2.library.tohoku.ac.jp/kano/mado/index.html

ちなみに上の赤水は世界之図系、下の稲垣図は坤輿系。
ttp://edb.kulib.kyoto-u.ac.jp/exhibit/muroga/mateo.html

いやいや、ネットだけでここまで調べられるとは、びっくり。
青森にも古い世界地図があるようなのですが、こちらはネット上になし。写真が載っている本は、M県の主要図書館になし。

そうそう、先日話題にした、松江の坤輿らしき世界地図。
恐らく「世界之図」かな? と想像。日本の書き方が坤輿より、世界之図に近いかも・・・が根拠。見てみないことにはわかりませんが。。。